心理学 総合案内 こころの散歩道 (心理学講座/災害心理学東北地方太平洋沖地震の災害心理学/一週間めの心のケア新潟青陵大学・碓井真史)

まだ、支援物資が届かないみなさんへ
東日本大震災から1週間の心と体のケア

未だに、混乱と命の危機にある方々のために
「必ず助けに行きます」

2011.3.18


1週間たったが

よりよい避難所生活のページで書きましたが、阪神淡路大震災でも、新潟県の中越地震でも、1週間をすぎれば、最初の混乱は収まり、命の危機といった状態は去り、生き残るための避難所から、安定した生活のための避難所へと変わり始めていました。
ところが、今回の東日本大震災では、1週間たった今も、混乱が収まりません。大きな避難所にも関わらず、食料も燃料も不足しています。特に避難所での灯油不足、住民のガソリン不足は深刻です。
これまでにない、広範囲にわたる甚大な被害が、この混乱を招いているのでしょう。
さらに、まだほとんど支援物資も届かず、援助の手が差し伸べられていない孤立した人々も大勢います。
せっかく大地震と大津波を生き残ったのに、避難所で亡くなる人が出始めています。
このような状況は、体と命の危機を生むだけではありません。

生活の不便、心の危機

極めて不便で、寒さに震え続けるような苦しい生活が続いています。これは、体に負担をかけるだけではなく、心に負担をかけます。想像してみてください。
昨日まで、豊かで幸せで快適な生活をしていた人が、突然何もかも失い、寒さに震えながら、満足な食事もない、着替えもない、きれいなトイレもない、プライバシーもない、そんな生活がもう一週間も続いています。避難所のみなさんは、激しい災害ストレスにさらされ続けています。
心が折れそうになっても無理はありません。惨めな無力感に陥っても無理はありません。
でも、この無力感は、体の健康をむしばみ、後々の心の後遺症(PTSD)につながる危険性をはらんでいます。

体と心のケアのために

一番良いのは、まず物質的な安心安全が補償されることです。必要な物資も人手も届くことです。ただ、それが届いていないところでは、その過酷な状況下でも何とかしないといけません。

体のケアのために

体のケアのために、苦しいこと、辛いこと、声をあげましょう。先ほど報道されていましたが、避難所から救急車で運ばれた高齢者は、そばの人に言わせると「ずっと、おしっこをがまんしていた。介助してくれる人がいなかった」ということです。
それが、どれほど客観的事実かはわかりませんが、苦しいのをずっと我慢していたのは事実でしょう。
体が苦しい時には、声をあげましょう。それは、人に迷惑をかけることではありません。それは、弱さの表れではりません。苦しい時には苦しいと言いましょう。手助けがほしい時には、助けてほしいと言いましょう。そして、みんなで考えましょう。
具体的な体のケアのために方法も、大きな避難所では始まっているようです。体を動かさないと、生活不活発病で体の具合が悪くなります。指導者がいなくても、互いに声を掛け合いましょう。

心のケアのために

福島県からの被災者の声が報道差rています。「私たちは見捨てられたのか」。もちろん、そんなことがあるわけもないのですが、物資もない状況で、風評被害により、福島に入るのが怖いといった情報が流れてくれば、「見捨てられた」と感じるのも無理はありません。
しかし、今孤立している方々。避難所の中で一週間も不便な生活をつ杖kているみなさん。
日本は、決してあなた方を見捨てません。私たちは、決してあなた方を見捨てません。世界は、決して日本を見捨てません。
警察の担当者がテレビで言っていました。
「必ず助けに行きます」
まだ、上手くいかない部分も多いのですが、日本中、世界中の、様々な立場の人が、心から思っています。「必ず助けに行きます」。
作る人、運ぶ人、直す人。現地に行く人たち。着々と準備を始めています。もう少し、待ってください。
今に、もう少しすれば、毛布もおにぎりも灯油も、ありあまるほどの支援物資が、避難所に集まります。阪神も中越もそうでした。もう少し待っていてください。
みなさんは、決して見捨てられていません。みなさんは、決して無力ではありません。

大きな避難所以外の人々のために

おそらく、すぐに大きな避難所には物も人も集まるでしょう。ただし、小さな避難所はさらにもう少し待たなければならないかもしれません。今、孤立しているところはなおさらかもしれません。
私たちは、良く報道される有名な街の大きな避難所だけではなく、隅々まで支援の物資と人手を送らなければなりません。

避難所以外の人たちのために

避難所には物資が届くのですが、自宅にいて孤立している人もいます。ガソリンがない、車がない、近くの店もない。ライフラインも止まっている。高齢者ばかり。そんな集落があります。
避難所以外のところにも、支援の物と人を送らなければなりません。

がんばっている人のために

被災しながらも、ボランティア活動を頑張っていた50代の男性が亡くなったとの報道がありました。がんばっているみなさんは、素晴らしい。でも、一番大切なのは、あなたの命です。→疲れているあなたのために・がんばっているあなたのために(「不眠不休」を越えて)
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東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の災害心理学
 
より良い避難所生活のために疲れているあなたのために



 


 


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