心理学 総合案内 こころの散歩道 (心理学講座/災害心理学東日本大震災の災害心理学/災害時ストレス新潟青陵大学碓井真史

災害時の心のケア:災害時のストレス

東北関東大震災を生き抜いたあなたのために
ASD急性ストレス障害・ストレスとの付き合い方

2011.3.15


災害直後に

こんなにものすごい体験です。心や体に変化が表れて当然です。あなたがおかしくなったのではありません。誰だって、そうなります。あなたの家族や友人も同じです。でも、いつまでもそのままではありません。大丈夫です。

体の不調

頭が痛い、おなかが痛い、吐き気がする、下痢、便秘、めまいがするなど、体の調子も悪くなるでしょう。報道を見ているだけでも、胃が痛くなる人がいるのですから。

心の不調

あなたは今、とてつもないストレスにさらされています。心身の不調は当然です。あなたも周囲の人も同じです。ぼうっとしている人もいるでしょう。阪神淡路大震災の時には、がれきと化した自宅の前でパジャマのままずっと立ちつくしている人がいました。イライラすることもあるでしょう。当然です。

あなたの周囲の人も同じです。かせを引けば鼻水が出るように、巨大なストレスを受ければ、一時的に怒りっぽくなったり、泣きたくなったり、記憶が混乱したりするのは当然です。あなただけではありません。みんな同じです。ゆっくりと、もとの元気なあなたに戻るでしょう。

災害後ストレス(ASD:急性ストレス障害)

大災害のような命の危険を体験したあとの心身の不調が強くなると、ASD(急性ストレス障害)などと呼びます。大丈夫です。「障害」といっても、治らないわけではありません。いわゆる病気でもありませんし、そうなった人が特別弱いわけでもあません。

ASD:急性ストレス障害

あの時の恐怖や不安が突然よみがえったり、怖かった場所には行けなくなったり、小さな揺れや音にも、びくっとしてしまいます。こういうことは、大なり小なりみんなあるでしょう。私も、ビルが崩れてくるイメージがわいてきたり、小さな振動や音にっびっくりしていましたし、何でない雨が怖いと感じることもありました。この程度は全く普通のことです。ただ、このような感覚が強いと、ASDなどと呼ばれますが、たいていは数日から数週間で自然に元に戻ります。
これは普通のことですけれども、これが尾を引いて長く続き、PTSD(外傷後ストレス障害)にならないように注意が必要です。。

ストレスと付き合うために

ストレスがやってきたとき、私たちはすぐにペチャンとつぶれたりはしません。むしろ、ショックと悲しみを乗り越えて、普通以上に頑張ります。茫然としてしまうこともありますけれども、逆にエネルギッシュになることもあります。ご飯を食べなくても、寝なくても大丈夫だと感じるほどです。そういうふうにして、危機を乗り越えるように、人間はできているのでしょう。
でも、ストレスで人間がスーパーマンになったわけではありません。その次は、がくんと心身の調子がさがります。たとえば、非常に気丈に家族の葬儀を済ませた後で、がくんと落ち込むようなものです。ガンバリは素晴らしいのですが、心と体に大きな負担がかかります。これが強すぎると、長く心身の不調が続いてしまい、悪くするとPTSD(外傷後ストレス障害)に、つながってしまうことがあります。
だから、休ませましょう。食べさせましょう。眠たくないと言っても、横にさせましょう。食べたくないと言っても、一口でも食べさせましょう。今一番頑張っている人を、みんなで休ませましょう。 → 疲れているあなたのために(大震災での「不眠不休」を越えて)
そして、この大困難をみんなで乗り越えていきたいと願っています。Tweet
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