心理学総合案内こころの散歩道」/「心のニュースセンターへ「ダイアナの心理/02

慈善活動の心理

 ダイアナは、弱者への思いやりを持ち、福祉活動や平和活動に高い関心をもって様な慈善活動を活発に行ってきました。いろいろな情報を見ると、これは単に王室の役割として行っただけではなく、また売名行為でも点数稼ぎでもないと思います。彼女の果たしてきた役割はとても大きいものがあるでしょう。

欲求の段階

 1.生理的欲求 2.安全の欲求 3.愛と所属の欲求 4.尊敬と賞賛の欲求 5.自己実現の欲求

 さて、私たちは、何かをやりたいという思いを持ちます。食べたい、飲みたい等の生理的欲求から始まって、安全に暮らしたい、人に愛されたい、ほめられたいなどの欲求があり、そしてこのような欲求が満たされた後で、芸術やボランティア活動などの自己実現の欲求が生まれます。

 自己実現の欲求は、純粋に真善美を求めたり、自分の能力のへの挑戦であったり、人のための活動であったりします。のびのびと自分らしく活動し、大きな喜びや満足感が得られます。


隠れた動機

 ところが、外見上は同じような活動でも、自己実現欲求ではいこともあります。自分は愛されていない、本当の仲間がいない、そんな思いを持ち、何とかその欲求不満を解消するために仕事や芸術活動やボランティア活動に打ち込むことがあります。外見上は同じ活動でも、心の中に、伸びやかで自由な喜びは湧きません。

 人間が自己実現を目指し自由に生きていくためには、その土台として、自分は愛されれているという安心感が必要なのです。

 ダイアナの心理がどうだったのかは、わかりません。しかし、彼女の社会的弱者のための行動は、その弱者だけではなく、彼女自身をも支えていたような気がします。離婚後も「プリンス」の称号にこだわった理由の一つが、弱者救済活動を今まで通り続けたいためだったのではないでしょうか。弱者のためにも、自分自身のためにも。


心の傷と人助け

 ある新聞では、ダイアナの子供時代からの心の傷が癒されていないために、だから弱者にも優しくなれたのではないかと、好意的なニュアンスで書いてありました。

 しかし、これは心理学的には正しくありません。傷ついたままで人助けをしようとすると、その人助けを、自分の心を癒すための道具にしてしまうことがあります。このような人助けでは、その人の自立を言葉では願いながら、心の底では、いつまでも自立しないで依存し続けてほしいと願ったりしてしまいます。

 そうではなくて、傷ついた心が癒されて健康な心になったとき、はじめて自分の過去の苦しみを生かした、人助けができるのです。


まとめ

 上に書いたような心の動きを本人が自覚しているわけではありません。ダイアナについては全くの想像ですし、仮に当たっていたとしても、彼女の行動や善意を決して否定するものではありません。

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