皇太子妃雅子様の適応障害との闘病から学ぶ心の病と支援。
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雅子妃、適応障害診断から学ぶ
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適応障害とは・適応障害にかかる人・適応障害の治療
私たちは、一人の女性を守ることができるか。
昨年春から体調を崩し、そのために公務をお休みし、休養を取っていました。その間、皇太子から「雅子のキャリアや、そのことに基づいた人格を否定するような動きがあったことも事実です」との、強い表現での言葉もありました。
民間から皇室に入り、公務の問題、お世継ぎの問題、さらに人格攻撃まであったとしたら、それはどれほどお辛かったことでしょう。
皇室に入ってしまえば、簡単に外出して気晴らしもできあせんし、簡単に実家に戻ってリラックスすることなども、もちろんできません。
静養が長引くにつれ、海外のマスコミから様々な診断名の憶測記事が出ます。「うつ病」「○○神経症」。
そして、今回発表された診断名が、「適応障害」でした。
今回、雅子妃は、医師らと相談のうえで文言を考え、発表したそうです。
「適応」も「障害」も、特別な言葉ではありませんが、診断名としての「適応障害」は、多くの人にとってなじみのないものでしょう。
アメリカの精神医学会の定義(DSM4)や、WHO世界保健機関の分類(ICD10)をみると、適応障害とは、次のようなものです。
まず、症状としては、抑うつ感、不安、絶望感、動悸や振るえなどの身体的不調、そして、これらの苦痛のために、時には乱暴な言動が出てしまうこともあります。
原因としては、明らかなストレス要因があること。そして、他の心の病気(うつ病とか神経症が原因になっていないことです。
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と、簡単に説明しましたが、はっきり言えば、他の心の病に比べて、よく分からない診断名です。
(心の病は、時代により、国により、その分類や名称がどんどん変わっていくということもありますが。)
たしかに、生活に支障をきたすような症状はある、しかし他のどの心の病でもない、そういうときにつけられる診断名ともいえるでしょう。
ですから、適応障害は、他の心の病にも増して、だれもがかかる心の病なのです。
不適応とか、適応障害、心の病などというと、何か心の弱い人、能力的に劣る(だから環境に適応できない)といったことを想像する人もいるかもしれません。
しかし、そうではありません。適応障害は、「ストレスへの過剰反応」ともいえます。苦しいストレス状態の中、能力があり、責任感があり、やる気があるからこそ、一生懸命がんばる。その結果の病ということもできます。
適応障害は、学校の優等生や、会社のエリートサラリーマンや、優秀なスポーツマンも、かかることがあります。今、悩み苦しんでいる人たちの中で、診察を受ければ、適応障害と診断される人が、たくさんいることでしょう。
適応障害は、どんな人も、だれもか、かかりうる病なのです。
まずは、原因となっているストレスを軽くすることです。
今回、医師から「適応障害」という診断が出たということは、関係者は、この複雑で根深いストレス状況を改善する必要があると迫られているのだと、理解していただきたいと思います。
ただし、誰の場合でもそうですが、仕事量を減らすときには、本人の自尊心を傷つけないように気をつけなくてはなりません。
発表によると、少量の薬も使うそうです。
適応障害自体を直す特効薬はありませんが、様々な症状の一つひとつに対処するお薬を使うことはできます。
その上で、心理療法、いわゆるカウンセリングなどが行われます。
周囲からの理解と支援も、大きな力となります。
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今回、自らの心の病について、同意した上で発表してくださったこと、大変勇気ある行為だと思います。
私たちは、これにどう応えられるでしょうか。
有能で、仕事にも、主婦、妻としてもやる気をもっている、そんな一人の女性。ただし、あまりにも有名で、注目されすぎる女性。この方を支えていくことができるでしょうか。
マスコミや国民の態度は、病を悪化させかねない大きなストレスにもなれば、治療として働く力強い支えにもなります。
影響力のある有名人が自らの病気に付いて語ることは、その病気で悩むひと全体の大きな力になります。
皇太子妃自身のためにも、また心の病で悩む人々、仕事や家庭の問題で悩むすべての人々のために、回復と復帰をお祈りしています。
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補足
イギリスのダイアナ妃も、民間から王室に入り、その有能さのゆえに、大きな困難にあいました。
彼女は、「摂食障害」(過食症)という心の病になります。この病の原因の一つも、自分の力だけではどうにもならない大きな困難(ストレス)でした。彼女はさらに、うつになり、自傷行為もあったと告白しています。
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