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「スポーツ心理学」とか「体育心理学」という名前で、体育やスポーツ競技に関する人間行動と心理の研究が行われています。
人間の生存と活動の基礎となる身体の能力を「体力」と呼びます。体力は、筋力、瞬発力、持久力などの「行動体力」と、暑さ寒さ、飢え、細菌などに対する抵抗力としての「防衛体力」があります。
日常会話で、「体力」という場合にも、この2つの意味で使いますね。三省堂の新明快国語辞典では、「運動能力・抵抗力・耐久力などの総合的力」と説明されています。
ただし、身体の能力を発揮するためには、意志や判断などの心理的なものが影響を与えます。また、心理的ストレスによって病気になることもあります。そこで現在では、体力とは、身体的能力と精神的能力が総合されたものだと考えるようになりました。
あるスポーツを上手に行えるかどうかを予想するための、心身の状態を、スポーツ適正と言います。体格、体型、基礎体力、動体視力、興味、集中力、やる気、ゲーム展開への洞察力などが問われます。
ボブスレーの選手と陸上の十種競技の選手とは、必要なスポーツ適正が似ているようです。まだ、競技人口の少ないボブスレーに陸上から転校してくる選手もいるそうです。
(橋本聖子さんのことを考えると、スピードスケートと自転車競技も、そうなのかな?)
広い意味では、自由時間中の気晴らし活動のことですが、日常生活の緊張を解消し、生活を豊かで健全なものにする活動のことをレクリエーション、またはレジャーと言います。スポーツもそのひとつです。さまざまなレクリエーション活動を通して心の病を治療する「レクリエーション療法」もあります。
上記の国語辞典には、次のように書いてあります。
レクリエーション:仕事、勉強の疲れをほぐし、あすの活動への活力を導くための休養とと娯楽。
レジャー:生活の余暇(を利用してする遊びや娯楽)
オリンピックの選手で、自分の参加競技を気晴らしだと思っている人はいないでしょう。しかし、たとえ金メダルをとっても、そのスポーツのせいで不幸になったとしたら、本来のスポーツの目的からはそれてしまうのではないでしょうか。
トップクラスの選手は、他のものを犠牲にし、とても苦しい練習を重ねてくるのでしょう。しかし、本当の一流選手は、そのスポーツが人生に与えてくれたすばらしさを語ってくれることでしょう。
心の中で、運動している場面を思い描いて、イメージによって練習する方法がメンタル・リハーサル(メンタル・プラクティス、メンタル・トレーニング)です。運動技能が上がる効果や、リラックスする効果があります。
先日、リュージュの選手が、控え室でメンタル・リハーサルを行っている様子をテレビで見ました。椅子に座って目を閉じ、コースを思い描いて、右に左に身体をひねっていました。解説によると、走行中は前が見えないので、スタート前にコースを全部覚えておく必要があるそうです。ですから、この場合のメンタル・リハーサルには、記憶の確認という意味もあったのでしょう。
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日本スポーツ心理学会今年度(1997.11.25〜26)行われた日本スポーツ心理学会第24回大会のプログラムを見ると、たとえば次のような研究発表があります。
「柔道選手における減量時の心理状態」
「プロサッカー選手のキャリア移行の実態」
「競技スポーツにおける精神的負担の研究」
「高齢者の機能的体力に及ぼすライフスタイルの効果」
「射撃競技における呼吸とパフォーマンスとの関係」
「バウムテストにみる負傷頻発選手の特性」
「障害者の心理とスポーツ」
などなど、いろいろあります。
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