こころの散歩道(心理学総合案内)/ 犯罪心理学 / 新潟女性監禁事件/傍聴2


新潟女性監禁事件 初公判を傍聴して 3

愛を失った男性、愛を持ち続けた女性


 被告の男性は、溺愛されて育てられながらも、父親が高齢であることを友人からからかわれたこともあり、父親を嫌うようになりました。

 彼は「溺愛」されてはいましたが、親からの本当の愛が届いていなかったのでしょう。

 普通は、親のことをバカにされれば、親を嫌うのではなく、悪口を言ってきた相手を嫌うはずです。

 彼は、父親を嫌い、母親を奴隷のように扱い、引きこもり、家庭内暴力を起こします。彼は親を嫌い、自分自身を嫌い、社会を憎みました。そして、天使のように思える幼い女の子を誘拐したのです。

***

 一方、被害者の女性は、こんなに苦しい目にあいながらも、自分の命と人生を大切にし続けました。生きるための必死の努力を続けました。男の言葉に惑わされず、いつかきっと助かる、家族のもとへ帰れると、希望を持ち続けていました。

 彼女は、男にずいぶんむごいことをされてきましたが、そのなかで、彼女が一番腹が立つと行っているのは、「言うことを聞かないと、お前の兄弟や大切な人もここに連れてくるぞ」という男の言葉でした。

 過酷な環境においてもなお、彼女は大切な人々への愛を忘れなかったのです。家族への愛、自分への愛が、この9年2ヶ月を生き抜く力となったのです。

 溺愛されたが愛を失っていった男と、苦しい状況の中で愛を失わなかった女性。とても対照的です。

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新潟女性監禁事件第2回公判を傍聴して1

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父親の死 :嫌っていたが依存していた?
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論告求刑01.11.30 懲役15年

判決:懲役15年・判決公判を傍聴して


被害者の心のケアと支援

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