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新潟女性監禁事件

父親の死 :嫌っていたが依存していた?
(父と子の心理、父子関係)


父を嫌う子

 父親を嫌っている子は、けっこうたくさんいます。理由はいろいろでしょうね。多くのお父さんは、子どものことを心から愛しているのですが、その気持ちを子どもに伝わるように上手に表現することが下手なのです。

 子どもは父親を愛しているからこそ、自分を愛してくれない(と感じている)父親を憎むことがあります。

 子どもを愛しているなら、その気持ちが伝わるように、表現しなくてはなりません。

 (まあ、中にはほんとにひどい父親もいるかもしれませんが。)

 女子大生と話していると、もううずいぶん、父親とまともに話していないなんて言う人もいます。何か特別なことがあった場合もありますが、年ごろの娘と、お父さん、なかなかむずかしいですよね。

 時間が解決することもあるでしょう。父親を毛嫌いしていた娘も、そのうち親孝行しようなんて思うときもあるでしょう。


金は与えるが、愛は与えない
嫌っているが、離れられない

 お金持ちを父親を嫌っている息子というのも目にします。今回の事件が起きた家庭もそうでしょうか。

 嫌っているなら、親から独立すればよいのですが、そんな度胸はありません。

 お金持ちで、社会的な力も持っている親が子どもを甘やかしてしますと、子どもにとって何とも楽な至れり尽くせりの生活が始まります。

 そんな生活では、心の強さが育ちません。それでも、父親が心から無条件に子どもを愛しているなら、問題は深くないの思うのですが、社会的に成功した親は自分が頑張ってきた分、子どもへの期待も大きくなってしまいます。

 成績優秀で、強い男になって欲しい、そうでなかれば愛が与えられない。これでは、子どもの心が不安定になります。一方で、甘やかされながら、一方では安心できるような愛が与えられない。

 その結果、父親を嫌いながら、でも父親から自立できる強さを持たない子どもができあがります。

(小林よしのりの「おぼっちゃまくん」でしたっけ? 超大金持ちで子どもにすごいぜいたくをさせる親が出てきます。おかげで子どもはちょっと変なのですが、でも、憎めないキャラクターなんですよね。この父親は、たっぷりと子どもに愛を注いでいました。)


弱ってきた父に

 容疑者の男性は、父親が高齢なのを嫌い、弱ってきた父親に暴力を振るいます。自分の親に対してひどい子どもだと思います。単純に、年をとり弱っていく父を嫌っていたのかもしれません。

 でも、多くの子は、父親は強くあって欲しいと願っています。だから、時には自分を叱ってくれない優柔不断な父親に怒りを感じることがあるほどです。

だから、弱ってきた父親に「怒り」を感じることもあるのです。もちろん、そんなことは間違っていますよ。でも、自立できていない、成熟していない子には、父親が弱ってきた「悲しみ」を怒りや暴力として表してしまうことがあるのです。

 ほんとうは、そういうやり場のない怒りを感じたとしても、暴力ではなくて、年老いた親への「いたわり」となれば良かったのですけれども。

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 その父親が死んだとき、嫌っていたけれども依存していた、父への願いを持っていたからこそ乱暴もしてしまった、そんな父が親が死んだとき、彼の心の闇はさらに深くなっていったのかもしれません。

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新潟女性監禁事件の犯罪心理:初公判を傍聴して1

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