災害避難所ストレス解消法:積極的な心のケア:心理学 総合案内 こころの散歩道 (心理学講座/災害心理学東日本大震災の災害心理学/災害ストレスの解消法・心のケア新潟青陵大学碓井真史

災害避難所ストレス解消法:積極的活動による心のケア

みじめな被災者ではなく、避難所の運営者として

2011.3.22


避難所生活のストレス:安定し始めた時期に

災害発生直後、命からがら逃げてきて、避難所で、涙の再会をする。大勢の同じ被災者が集まっている。ここで、みんなの心は一つになります。災害時パラダイスとも呼ばれる、すばらしい協力体制がとれます。
はじめて食べるおにぎり一個が、とてもおいしく感じられ、毛布一枚がとてもありがたく思われます。衝撃的な災害体験のために、ASD(急性ストレス障害)の状態になることもありますが、このときは、がんばってします人もいますし、助かった喜びもあるわけです。
しかし、災害発生後数週間たち、避難所生活も落ち着いてくると、当然のことながら、心も普通の状態に近づきます。当然のことですが、毎日おにぎりばかりでは飽きてしまいます。同じメニューが何日も続いて良い人などいません。
避難所の生活は、現代日本の文化的な生活とはかけ離れています。一日か二日ならともかく、こんな生活を長くしていて、ストレスがたまらない人はいません。
>>ストレスの心理学
>>災害時の心のケア:災害時のストレス、ASD(急性ストレス障害)

避難所生活とストレス症状(反応)

避難所生活のストレス

避難所生活には、様々なストレスがあるでしょう。衣食住、暑さ、寒さ、トイレ、プライバシーの問題など、様々です。さらに、被災による喪失体験(家、仕事、家族、友人など大切なものを失う)、絶望感、そして避難所内の人間関係など、さまざまなストレスが襲ってくれうでしょう。様々なストレスによって、心、体、行動に、様々なストレス反応が表れます。
よりより避難所生活のために
社会心理学:人間関係の心理学入門

体に表れるストレス反応

不眠、頭痛、腰痛、肩こり、血圧上昇、便秘、下痢、持病の悪化などなど

心に表れるストレス反応

イライラする、あせり、無力感、無気力(やる気がでない)、抑うつ感(気持ちが沈む)など

行動に表れるストレス反応

八つ当たり、ひきこもる、過度の飲酒、ギャンブルなど

ストレスの自覚

心にストレスがたまっていることを、人はなかなか自覚できません。不眠などの体の症状があらわああれたら、ストレスがたまっているかもしれないと考えましょう。また、誰かの不健康な行動を見た時には、ストレスのせいかもしれないと考えましょう。
>>やる気の心理学
>>うつ状態の人との接し方

災害ストレス、避難所ストレスの解消と心のケア

一般的なストレス解消

避難所から出て、新築の自分の家に入り、避難所の物理的なストレスが解消されれば、一番良いでしょうが、それはまだ先の話です。
ストレスがたまっているひとには、運動や、おしゃべりなど、ストレス解消になる行動が必要でしょう。また誰か、心に余裕がある人がカウンセリングマインドを持って接することも大切でしょう。
>>カウンセリングマインドで、話を聞き、心をケアする方法

避難所での積極的なストレス解消

避難所にいる被災者は、みじめであわれな存在ではありません。災害を生き抜き、この大困難と闘っている勇者です。
避難所ストレス解消のためには、自らが避難所を運営しているという意識をもつことが、効果的です。もちろん、心身ともに弱り切っているときには、そんなことはdけいません。しかし、被災後しばらくして、避難所生活が安定してきたら、積極的な行動によってストレスを減らすことを考えましょう。
混んでいるエレベーターで最もストレスがたまらない場所は、エレベーターの操作ボタンの前です。自分でエレベーターを動かせる感覚は、ストレスを減らします。
避難所にいる人たちみんなで、情報を共有し、役割を分担しましょう。
大人も、子ども高齢者も、それぞれに役割をもちましょう。「楽隠居させるのは良くない」などと言われますが、避難所でも同じです。
ただ面倒を見てもらうだけの被災者になってしまうと、ますます心のエネルギーが減っていきます。 災害ボランティアや、他の被災者への不満も高まります。
そうではなくて、自分の手でより良い避難所生活を作っていこうと思える時、ストレスは軽くなっていくのです。
役割や責任をもてば、それがまたストレスになるかもしれませんが、ストレスがみんな悪いわけではありません。ストレスには、善玉ストレス、悪玉ストレスがあるのです。何もしないのではなく、心地よい緊張感や、意味のある苦労といった良いストレスは、心と体を健康にするのです。
>>ストレスの心理学
>>善玉ストレス、悪玉ストレスの心理
>>災害時の子どもの心のケア
>>災害時の高齢者の心のケア
>>より良い避難所生活のたあめに
>>子どもをPTSDから守ろう:災害後注意すべき子どもたち
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